開発者がアサルトルール廃止の理由について語る

オーバーウォッチ2のゲームディレクターAaron Keller氏が海外メディアGGReconとの開発者Q＆Aを行い、オーバーウォッチ2からアサルトルールが廃止された理由について語りました。

アサルトルール廃止の理由とマッチメイキング体験の悪さ

2022年4月下旬のパッチノートではアサルトルール廃止について、「すべてのマップとゲーム・モードを検証した結果、アサルトが多くのコミュニティメンバーにとって不満の原因となり続けていることがわかりました。アサルト・マップの問題の多くは、ゲーム・モードの大幅な変更、大規模なマップの作り直しによってのみ解決できるもので、結果としてゼロからの完全な再構築が必要になると考えています。このことをふまえ、HANAMURAやVOLSKAYAなどの非常になじみのあるマップを作り直すのにリソースを割くのではなく、トロントやローマといった、これまでに訪れたことのないエキサイティングな都市を舞台としたマップの制作に力を入れることにしました。」と語られています。

Aaron Keller氏によると、シーズン6が始まるまでにも何回かアサルトマップ復活のためのテコ入れを試したそうですが、そもそもマップを全面的に作り直すことしか解決策が見つけられず、あまりにも時間がかかりすぎるため現実的ではないと判断したそうです。

この問題の背景として、オーバーウォッチのマッチメイキング体験の悪さが存在しています。

オーバーウォッチにはチームのランク差が非常に小さいにも限らず、個々のプレイヤーのピックプールやOTP、チームメイトとの相性などにより、片方のチームがもう片方のチームを一方的に蹂躙。片方のチームがずっとランクが高いように感じるマッチがあるためです。

Keller氏によると、「2CPはその問題を研ぎ澄ましたゲームモードだった。攻撃チームは最速でたった2回のチームファイトに勝つだけでゲームに勝利できてしまう」とのこと。

この蹂躙が起こってしまうとプレイヤーはマッチメイカーが悪いと感じるため、アサルトルールに対する苦情が非常に多かったそうです。

開発陣はマッチメイキング体験の改善に取り組み中

現在オーバーウォッチの開発陣はこの問題について改善に力を入れています。例えば6月下旬サーバーエンジニアMaddren氏が、直近10試合のマッチ体験についてアンケートを実施していました。

Let's see how season 5 is going:

Thinking about the last 10 matches of Overwatch you played, about how many of them would you say were really good games?

— Morgan Maddren (@SrslyPaladin) June 27, 2023

またここ最近の開発者ブログやKeller氏執筆のディレクターの視点などでもこの問題について取り上げられています。Keller氏は、マッチメイカーが個々の試合のバランスに貢献している一方で、チームが互角の試合であっても蹂躙が発生する可能性があることも認識していると記事にも書いてありました。

チームは問題の解決に取り組みつつも、アサルトルールの解決策が見いだせなかったため、新たなルール「フラッシュポイント」といった別のアイデアに注力することを選択したようです。