【開発者ブログ】PvEモードスキルツリーシステム廃止の理由やOW開発の過去、オーバーウォッチの今後について

    本日オーバーウォッチ 2公式の開発者ブログ「DIRECTOR’S TAKE」が公開されました。ゲームディレクターAaron Keller氏がPvEモードの方針を変更した理由や今後のオーバーウォッチについて語っています。

    オーバーウォッチ2のPvEモードでは、ヒーローのスキルを自由に選べるスキルツリーシステムが導入されることが明らかになっていました。しかし先日のロードマップ公開時に開発を中止したと発表しました。

    結果、国内国外のオーバーウォッチコミュニティはBlizzardを猛批判。ボイコット運動にも発展しており今回開発中止の経緯を話すことになったようです。

    目次

    『オーバーウォッチ2』の今後 まとめ

    • PvEモードを完全に開発中止したわけではない
    • PvEモードではストーリーミッションとヒーローミッションが中心。
    • ストーリー・ミッションは、テンポの良い協力プレイ。『オーバーウォッチ』の世界を広げるストーリー、シネマティック、カットシーンに重点を置いている。
    • ストーリーミッションでは、『オーバーウォッチ』のヒーローたちが、「ヌルセクター」と戦う分岐のない物語。広大なマップ、新しい敵や新しいシネマティクスが登場する予定。
    • (今回開発が中止された)ヒーロー・ミッションは、タレント(スキル)・ツリーを通じて個々のヒーローをアップグレードできる深いリプレイ性を持ったゲーム・モード。
    • 『オーバーウォッチ』開発チームは、開発中止になったFPSのMMO『プロジェクト・タイタン』というゲームをきっかけに設立された。
    • そのため『オーバーウォッチ』はいつかMMOに戻るという計画も含まれていた。最終的なゲームは『プロジェクト・タイタン』の当初のビジョンの真の実現であった。
    • 大ヒットしたゲームの未来について集中していなかった何年も前の計画に集中してしまいPvEモードに開発リソースを割きすぎた。
    • ヒーロー・ミッションの初期バージョンの出来は本当に良かった。しかしゲームとしてまとめることができなかった。このまま開発を進めるとゲーム本編の開発が滞ってしまう。
    • ヒーローミッションを楽しみにしているすべての人を失望させるとわかっていながら開発中止という決断を下した。
    • 『オーバーウォッチ』ユニバースの次の章を掘り下げるストーリーミッション、まだ共有していない新しいタイプのCo-opコンテンツ、ゲーム内外で語る予定の新しいストーリーを開発中。

    以下は英語版「DIRECTOR’S TAKE – REFLECTING ON THE FUTURE OF OVERWATCH 2」の翻訳です。日本語版が配信されましたら再度内容を差し替え記事を更新しておきます。

    DIRECTOR’S TAKE – 『オーバーウォッチ2』の今後

    みなさんこんにちは。今週オーバーウォッチの世界はとても感情的な1週間でした。数日前、私たちは『オーバーウォッチ2』におけるPvEへのアプローチの変化について話し、今年のロードマップを発表しました。今週の議論の多くは私たちがPvEを完全にキャンセルしたという誤解でした。これは正確ではないので、ここで時間をとって皆さんとその一部について議論したいと思います。

    2019年に『オーバーウォッチ2』を発表したとき、ゲームのアイデアは昨年10月にリリースしたPvPゲーム、そしてPvE側ではストーリーミッションとヒーローミッションが中心でした。

    ストーリー・ミッションは、テンポの良い協力プレイに加え、『オーバーウォッチ』の世界を広げるストーリー、シネマティック、カットシーンに重点を置いています。ストーリーミッションでは、『オーバーウォッチ』のヒーローたちが再集結し、新たな脅威「ヌルセクター」と戦うという分岐のない物語が描かれ、『オーバーウォッチ』のストーリーをオリジナルゲームのリリース以来初めて進行させます。これらのミッションは広大なマップで行われ、新しい敵や新しいシネマティクスが登場します。シーズン6から公開を開始する予定。このミッションは、私たちがこれまでPvE向けに作ってきたものを大きく上回る素晴らしいものであり、プレイヤーの皆さんに手に取っていただくのが待ち遠しいです。今後数週間のうちに、さらなる詳細をお伝えする予定です。

    一方、ヒーロー・ミッション(またはヒーロー・モード)は、タレント・ツリーを通じて個々のヒーローをアップグレードできる開発中のゲーム・モードで、『オーバーウォッチ2』のPvEに深いリプレイ性を持たせています。これはとてもエキサイティングなコンセプトで、プレイヤーに共感してもらえただけでなく、チームも情熱を持って取り組んだものです。このモードは、私たちが今後開発しないモードです。

    この変化の背景を知るために、過去とチーム4の成り立ちについてお話したいと思います。『オーバーウォッチ』チームは、ブリザード社で中止になった『プロジェクト・タイタン』というゲームをきっかけに設立されました。そのゲームはいろいろな面を持っていましたが、その中心はFPSのMMOでした。『オーバーウォッチ』チームは、特に設立当初は、自分たちをMMOの開発チームだと考えていました。その当初のコンセプトから移行して『オーバーウォッチ』を作り始めたとき、いつかMMO範囲に戻るという計画も含まれていました。私たちは、「ハイハイ、歩く、走る」の計画を立てていました。『オーバーウォッチ』はハイハイ、『PvE』専用バージョンは歩く、そしてMMOは走るでした。これは早くからチームのDNAに組み込まれており、最終的なゲームは『プロジェクト・タイタン』の当初のビジョンの真の実現だと考える者もいました。

    2016年に『オーバーウォッチ』を発売したとき、私たちはすぐにその次のイテレーション(開発サイクル)がどうなるかを話し始めた。その時のことを振り返ると、私たちは大ヒットしたゲームの未来について集中していなかったことが、今となっては明らかです。その代わりに、何年も前の計画に集中してしまったのです。そして、PvE部分の開発に着手し、そのためにチームのメンバーをどんどんシフトしていきました。

    ゲーム開発では、物事が計画通りに進むことはまずありません。私たちは、ヒーロー・ミッションの経験について、初期に足元を固めるのに苦労しました。スコープ(プロジェクトの成果物や機能)が大きくなった。一度に多くのことをやろうとしすぎて、集中力を欠いてしまったのです。ヒーローのスキル、新しい敵ユニット、ミッションの初期バージョンなど、チームは本当に素晴らしいものを作りましたが、洗練されたまとまりのある体験を提供するために必要なすべての要素をまとめることができませんでした。

    私たちは、エキサイティングで巨大なビジョンを持っていましたが、それを実現するために、ゲーム本編からリソースを引き離し続けていたのです。『オーバーウォッチ』の当初の野望を振り返ると、「ハイハイ、歩く、走る」というスローガンを使って、うまくいかない戦略で前進し続けたように感じざるを得ません。

    私たちは、大胆なことを発表してしまった。プレイヤーはそれに大きな期待を寄せていましたが、私たちはもうそれを実現することができないと感じました。私たちは、プレイヤーやチーム、そしてヒーローミッションを楽しみにしているすべての人を失望させるとわかっていながら、非常に難しい決断をする必要がありました。『オーバーウォッチ』チームはこのことを深く理解しており、これは何年にもわたる作業と感情的な投資の結果でした。彼らは素晴らしく、信じられないほど才能のある人々で、私たちのゲームとその仕事に対して本当に情熱を持っています。

    最後に、なぜこのタイミングでこの発表になったのか、疑問に思われた方もいると思います。『オーバーウォッチ2』が発売された後、私たちは将来のシーズンに向けて計画を練り始めました。その計画が大きくなるにつれて、私たちの野望をすべて、私たちが信じる計画に適合させる方法を探そうとしました。

    しかしできなかったのです。また、当初のビジョンのために、再びライブゲームから人々を引き離すようなことはできないこともわかっていました。そこで、ヒーローミッションの廃止という難しい決断を下し、将来の計画を立て始めました。

    そこから、ゲームのビジョンを新たなものに更新し、新しい方向性に自信を持ち、チームに更新を展開する必要がありました。この決断は、長いプロセスのスタートであり、最終的なピースではありません。

    しかし、このプロジェクトのディレクターとして、ゲームとコミュニティを第一に考えた決断を下すことは、たとえその決断が残念なものであったとしても、最善を尽くさなければなりません。今回のケースでは、うまくいかないビジョンから離れることに苦労しました。そして、そのことについて、私はプレーヤーとチームに謝りたいと思います。申し訳ありませんでした。

    私たちは、このゲームを進化し続ける体験とするために、努力と情熱を注いでいます。『オーバーウォッチ』ユニバースの次の章を掘り下げるストーリーミッション、まだ共有していない新しいタイプのCo-opコンテンツ、ゲーム内外で語る予定の新しいストーリーなど、BlizzCon 2019で話した多くの要素の構築に、私たちはまだコミットしています。私たちはこの方向性に興奮していますし、私たちが作ってきたものをようやく皆さんに体験していただけるのが待ち遠しいです。

    オーバーウォッチは、プロジェクト・タイタンの灰の中から生まれました。それはチームとプロジェクトにとって羽化の瞬間でした…そしてそこから美しいものが生まれました。今回もまた、変化の瞬間です。そして、『オーバーウォッチ』の未来は、そこから生まれるのです。

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