2月25日、オーバーウォッチ2公式サイトにて、ゲームディレクターAaron Keller氏の開発者ブログ「ディレクターの視点:ヒーローとマッチメイキングのバランス調整」が公開されました。当開発者ブログでは、シーズン3開始時のヒーローバランスの詳細や、マッチメイキングシステムについて語られています。
- ヒーローバランスについて
- 「オーバーウォッチ 2」リリース以来で最高のバランス
- 今シーズンはブリギッテが本当に好調
- ほとんどのティアでタンクの中で最高勝率となっているのはラインハルト
- シーズン3は、「ヒットスキャンのシーズン」また、「キャスディのシーズン」
- ミッドシーズンパッチまでバランス調整なし
- ライバル・プレイでは待機時間が短縮
- アンランクでのマッチでは待機時間が少し伸びた
- マッチメイキングについて
- マッチメイキングがシーズン3以前では最大7ディビジョンのマッチングであったが12ディビジョンに拡大
- 毎日変更を加えているため今では9ディビジョンまで縮小できている
- ミッドシーズンパッチでさらに改善するための追加変更を予定
以下、公式サイト「ディレクターの視点:ヒーローとマッチメイキングのバランス調整」の引用。
ディレクターの視点:ヒーローとマッチメイキングのバランス調整
Aaron Keller, Blizzard Entertainment | February 24, 2023
数週間前、「オーバーウォッチ」の一連のアップデートの第1弾を公開しました。あれからというもの、怒涛の日々が続いています!シーズン3が始まり、TVアニメ「ワンパンマン」コラボを発表したばかりか、ゲンジとデートすることになるなんて!胸がいっぱいです。
それでは、今回お伝えする2つのトピック、シーズン3のバランスとマッチメイキングについての内容に入っていきましょう。
シーズン3のスタートは、シーズン2開始時点と比較して、かなりバランスが良い状態だと感じています。プレイヤーの皆さんからは、いくつもの変更のおかげでゲームが新鮮に感じられ、「オーバーウォッチ 2」リリース以来で最高のバランスになったという声をいただいています。皆さんに様々な議論を交わしていただいていることを大変嬉しく思うとともに、そのような基盤を醸成するためにも、今回はもう少し詳しく、控えめに解説をしていきます。
まずはサポートからです。良い点としては、大半のスキル・ティアでほとんどのサポートが活躍できていることです。今シーズンはブリギッテが本当に好調で、トップ500を除くほぼすべてのスキル・ティアで最高の勝率を記録しています。トップ500ではゼニヤッタがリードしており、両者の平均勝率は55%近くに達しています。一方、勝率が低いのはキリコとモイラで45%前後です。ところが、勝率の高いヒーローは必ずしも最もプレイされるヒーローとは一致しません。実際にプレイされているヒーローを見てみると、シルバーとブロンズより上のほぼすべてのスキル・ティアでアナ、キリコ、マーシーが上位を占めていて、シルバーとブロンズからはモイラがかなり選ばれているようです。最高レベルの環境でピック率が高いキリコの勝率が低く、ピック率が低いブリギッテの勝率が高いのは、直感に反しているようにも感じます。上位層のプレイングに疑問をさしはさむのもいいですが…スキルが高いプレイヤーがそのヒーローを選び続けているのには、何か理由があるはずだと思っています。これを検証・分析するため、マップ、チーム構成、チームファイトに関する指標を追加で取得しています。検証が上手く進んだ頃に、続報をお伝えします。
次はタンクです!タンクは現在絶好調で、パフォーマンスが良くないタンクを選ぶのが難しいくらいですね。トップ層では、ほとんどのティアでタンクの中で最高勝率となっているのはラインハルトで、ブロンズからプラチナで約58%に達します。一方マスター以上では、シグマがラインハルトを引き離しており、トップ500では55%を誇ります。ロードホッグはまだ活躍できる場面もあるのに、ちょっと苦戦していますね。ウィンストンとザリアは一部のランクで活躍していますし、他のヒーローもすべてのスキル・ティアで堅実です。今コミュニティ内で話題の的となっているタンクはレッキング・ボールだと思いますが、意見は様々でしょう。強すぎると思う方も、ちょうどいいと思う方も、どちらとも言えないと思う方もいて、侃侃諤諤、議論百出といった状況です。レッキング・ボールの勝率はほとんどのティアで全タンク中3 – 4位で、51 – 55%の間にあります。ピック率は、低ランク帯では低いですが、プレイヤーのスキルが上がるにつれて高くなっています。トップ500の中では、レッキング・ボールのピック率は圧倒的1位です。レッキング・ボールの台頭によって存在感を増してきた他のヒーローも何人かいるので、これからもレッキング・ボールの動向には注意し、環境にハムスターが増えすぎてプレイヤーを疲弊させないようにしたいと思います。
ダメージロールには大きな振れ幅があり、二極化しているのが現状です。数字の面から見ると、ダメージは全体的にかなりバランスが取れていると感じます。シーズン3は、多くの方から「ヒットスキャンのシーズン」とあだ名されていますが、「キャスディのシーズン」と呼んでいる方もいるかもしれません!ソジョーンに行われた変更と、他の何人かのキャラクターの強化により、ヒーローの組み合わせの選択肢が増えました。キャスディ、ファラ、ウィドウメイカー、トレーサーはいずれもプレイタイムが上がっています。実のところ、キャスディはトップ500を除くすべてのランクで圧倒的な差をつけて最も選ばれているヒーローであり、トップ500でもトレーサーと同率です。今後も上位に食い込んでいくでしょう。全マッチの30%程度で、両チームにキャスディがいるのです!シンメトラ以外では、中 – 高ランク帯での最強のダメージヒーローを決めるのは難しくなっています。ダメージヒーローの勝率は大半が47% – 53%のあいだに収まっています。ファラ、ウィドウメイカー、トレーサー、シンメトラなどが上位を占めていますが、ほぼ毎日入れ替わりがありますね。低ランクでは、勝率の高いヒーローはシンメトラとトールビョーンです。この2人はいつも変わりません!実際、シンメトラはマスター以上を除く全ランクの全ロールにおいて、ゲーム内で最も高い勝率を誇っています。ソンブラは、パワーの低い方ではありますが、今シーズンは大きく持ち直して、ダイヤモンド以上の勝率は46%前後となりました。
現状では、ミッドシーズンパッチまでバランス調整を行うことは考えていません。
今シーズンは、マッチメイキングシステムに大きな変更がありました。第一の目標は、同じロールの中でMMRの差が最小になるように、プレイヤーの組み合わせを最適化することでした。例えば、マッチングを行う際、一方のチームのダメージプレイヤーともう一方のチームのタンクプレイヤーが互角であることよりも、両チームのダメージプレイヤーのスキルが近いことを重視するようになりました。これが功を奏して、試合では同ロールのプレイヤー同士のスキルの差はかなり縮まりました。
この変更により、他にも良い効果がありました。ライバル・プレイでは待機時間が短縮し、特に高スキルのマッチにおいては大幅に軽減されました。平均的なマッチの質も全体的に向上しています。また、待機時間が長いマッチでは、通常は以前よりもマッチの質が高くなりました。以前は待機時間が長ければ長いほど、スキルの差の制約が緩くなる可能性があったのです。これは今でもそうですが、スキル差はこれまでより縮まっているはずです。
しかし、このような変更点には、予期せぬマイナス面もありました。アンランクでのマッチでは待機時間が少し伸び、スキル差の大きいグループではかなり時間がかかるようになりました。この点については変更を行っており、アンランクでの待機時間はすでに改善傾向にあります。また、ゲーム内で連勝・連敗が長く続くことがあるという声もいただいています。改めて申し上げておくと、プレイヤーの勝率を意図的に操作し、連勝を起こしたり、防いだりするようなことはありません。このようなご報告については現在調査中であり、詳細が分かり次第お伝えします。
プレイヤーの皆さんから最も多く聞かれるのは、ライバル・プレイでの対戦でスキルレベルが大きく異なる人たちと遭遇してしまうという問題です。シーズン3開始前、グランドマスターの下位5%の試合では、7ディビジョンの差があるマッチメイキングが行われていました。これはゴールド3とシルバー5の差に相当します。シーズン3開始当初は、これが12ディビジョン差以上に跳ね上がりました。その後、何度も変更を重ね、今もほぼ毎日変更を行っている結果、現在は9ディビジョン差まで短縮することができました。ミッドシーズンパッチでは、この点をさらに改善するための追加変更を予定しています。
今回は以上です!また近いうちにお知らせがあるかもしれません。それでは、ゲーム内でお会いしましょう!
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